notes

Artsy が最高という話

このところめったに触れられてないけど、もともと美術を観るのが好きだ。

美術が人生に与えたもの

高校時代の美術の先生は、内省的な部分を肯定してもらったはじめての人だった。そして大学時代の卒業制作のテーマが美術展のデザインで、その時お世話になった方が、お酒の飲み方と一緒にお師匠的にいろいろなことを教えてくれた。いまでも、人生の師匠はこの美術家だと思っている。

で、いちばん衝撃的だったのが、ゲルハルト・リヒターとの出会いだった。ちょうど金沢の21世紀美術館の開館展示だったか、「eight glay」という作品で、自分の中の価値観が変わったのを感じた。自分としてははじめて、世界と自分とを繋げて考えることができた体験だったと思う。

ここまでやってこれたのは美術のおかげ。

そんなポエミーなことは実際のところどうでもよいのだけど、デザインをプロとして10年、アマチュア入れて15年ほどやってこれたのは、この美術との出会いが大きかったなというのが率直なところ。(ホントは写真との出会いも大きいのだけど、今回は割愛)

美術のリテラシがあると、ひたすら考える力 …… 批評的思考(クリティカル・シンキング)や、スペキュラティブな視点が自分の中に身につく。

デザインは問題解決の手法・概念であって、問題を発見することそのものや、批評的に分析していくことは本来そこまで得意ではない概念、という所感が個人的にはあるのだけど、それを補完するものとして美術はよいものだなと思う。つまり、デザインみたいなものをつくったり考えたりする生業には、必要なものだと思っている。

可処分時間が減って、頻繁なギャラリー巡りが難しくなった

ここで本題なのだけど、いろいろあって可処分時間も減り、以前のように頻繁にギャラリーや美術館を巡り歩くことも難しくなった。TOKYO ART BEAT なんて全然見てない! そんなとき出会ったのが Artsy(アーツィ) だ。

Artsy ってなんだ

Artsy は、超絶簡単に言うとアートのECサイト・ポータルサイト。2012年からある。サイト上で直接作品を買うわけじゃないけど、オークションに参加したり、ギャラリストやアートコレクターと直接、もしくは Artsy のエージェントを介して購入の交渉ができる。購入不可のもの、数億円のものから、手軽に買えるものまで、掲載されている作品は30万点と幅広い。「アート・ゲノム・プロジェクト」という名目で、レコメンドエンジン(メタタグ的なもの)で数珠つなぎに作品を見ていくことができ、知らないアーティストや作品と出会うことがかんたんにできる。

UIもクリティカルで刺激になる

そしてこれは個人的・趣味的な観点になるけど、UIやトーン・アンド・マナーも本質的によく考えられていて、刺激になる。創業者はアートの素養のあるエンジニアということで、なるほどといった感じ。コンテンツファーストという言葉を知る前?にこのサイトから多分に影響を受けていた。

みんなもうろうろしてみるといいよ

やっぱりオンスクリーンのメディアなので、いくら機能やコンテンツが充実していても、結局はディスプレイ越し。実際に作品と対峙する体験とは程遠い。だけど、確実に美術との物理的・精神的な距離感を縮めてくれるはず。難しいことは考えず、ぜひ気軽に閲覧してみてほしい。


自分の好きなものは自分で探す

ネットって、TIPSはググればすぐでてくるけど、自分自身がまだ知らない自分の好きなものって、自力で探さないとわからない。価値観やセンスといったものはすべて「経験値」という言葉で置き換えられると思っているのだけど、そういう意味でも美術と関わっていくのはおすすめ。


個人的には、VIEW IN ROOM 機能が無駄感あって好きです。
みんなも Artsy に登録してみよう。


Artsy – Discover, Research, and Collect the World's Best Art Online
世界中のアート作品をウェブで閲覧できる「Artsy」 ー 20万点以上の作品の購入もサポート | Shopping Tribe
twitter創業者のジャック・ドーシーも出資したアートのECサイト「Artsy」/海外ECサイト事例に学ぶ、売上アップのノウハウ | カート株式会社
> ゲルハルト・リヒター – Wikipedia

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